いつかヒトになるためのレッスン

人生いったりきたり。

わたしたちは、同じ地平に立っていて、幾重にもずれた世界で暮らしている

あなたのやることなすこと100%何も理解できません、という人と面と向かって話をする機会は、そんな変わったことをせずに暮らしている限りはそうそうない。職場にはだいたい同じような感じの人が集まるし、友人もだいたい同じような境遇や共通の背景をもった人であるし、花より男子のような劇的な恋愛でもない限りは、付き合う人もタイプが全く違うなんてことはそこまでないと思う。真逆のタイプが好き、といっても、何の話をしても全く噛み合わない人と恋に落ち、かつそれが成就する可能性はそんなに高くないはずだ。

 

ただ、ある一部において全く話が通じない、ということはそこまで珍しいことではない。経験したことがないことについて、知らないことについて、すらすらと話をすることはできない。

皆が同じ人生を送ってきているわけはないから、基本的にだれかと話をする上で前提とできる範囲はみんな違う。でも、生きてると「え、そのレベルの話も通じないの?」となる場面には多かれ少なかれ遭遇する。

 

別にそりゃそうじゃん、という話ではある。だって違う人生を歩んできたんだから。同じ日本でも都道府県が違えば環境は全然違うし、仮に同じ都道府県だったとしても地域ごとにも環境は違うし、通ってきた学校が違えばコミュニティが違う場合もある。そんな何もかもの境遇が違う人と話す場合、噛み合わないことのほうが多いのは当たり前だ。

意識したいのはその対処で、自分が知らない世界の話を「自分はその世界のこと知らんから笑」みたいな感じで知ろうとしないまま適当に流すことはしたくないなあ、と思う。

 

自分たちは同じ世界に暮らしているように見えて、幾重にもずれた世界のなかで暮らしている。自分たちが一緒に立っているのは世界ではなくて、ただの地平だ。世界は主観の数だけ存在するし、幾重にも分離している。

 

めっちゃ簡単に言うと人が悩んでるときに適当に無下にしないようにしたいね、という話ね。きをつけよ。