いつかヒトになるためのレッスン

人生いったりきたり。

認識すること

息がうまくできない時がある,という話をします。

 

道を歩いていて,ふと横道にある何かに気をとられて振り向いたりした時に,「あ,なんか今自分,息してるな」とふと感じる時があって,そこから数秒間息をするリズムが乱れるときがあります。

「あっ,あれ,自分ってどうやって息してたんだっけ」って感じに意識が自分のしている息の方に向いてしまって,なんだか慌ててしまうのです。

生きてれば誰だって息はするし,心臓は動くし,血は身体を巡っています。そんなこと何から何まで常々意識してしまうと心がパンクしてしまうのですが,時々「あ,そういえば」とそのことを認識することって,結構大事だと思うのです。

 

朝起きる。ご飯を食べる。仕事をする。帰って風呂に入って,飯を食べて寝る。時折他の人と騒いで,夜更かしなんかしたりして,旅行になんか行ってしまったりして。日々の生活にバリエーションはあるけれど,言葉にするとこのように類型化できてしまう。

一応毎日,少しは違うことが起こっているはずなのに。

 

同じようで,でも少しだけ違うことを認識できるかどうか。

それで,日々を新しく生きられるか否かが規定されるように思うのです。

 

今日の息は浅い。今日の息は速い。

明日はどんなふうに息をしているのか,ふと考えるだけでも,明日は新しくなるのかもしれません。