こういう,「確かにそうかもしれないけれど,別にそんなに心にも刺さってこないし,残らない」記事は至る所にある気がする。
記事を書いた人に落ち度はない。きっと親切心で書いているのだ。自分の実感したことを,他の誰かにも知って欲しくて書いたのかもしれない。
でも,きっとほとんどの人にはこの記事は心に残らない。
伝えたい対象が広すぎるのだ。
「これはわたしに向けられたことばだ」という意識が受け手になければ,深く響くことはない,白々しい言葉になる。
ONE OK ROCK - A Thousand Miles 【 Full HD 1080p 】
歌は,基本的に「あなたに歌う」ことが組み込まれたことばの形だと思う。歌うときには誰かを思い浮かべる。もしくは誰かの目の前で,その誰かのために歌う。だから,紡ぐことばには当事者性が与えられ,心に刺さるものとなる。
きっとだれでも,「自分のために用意されたことば」を探しているのだと思う。
それを発するのがアイドルか,作家なのか,隣に座っている人なのかは,人によって違う。
でも,きっと一生かけてその言葉たちを探していくのだろうし,そうやって拾ったり,与えられたり,投げかけられた言葉の数々が,人となりを作っていくのだろうと思う。